私立大入試や共通テストをはじめとする日本史の勉強法については、いろいろな方法が紹介されています。
「教科書の注を読まないとこれからの共通テストは解けない」とか「一問一答式ではなく、文章の形で頭に入れよう」とかいう話を聞いたことがあるかもしれません。
ただ、よくよく聞いてみると、そういう話はある程度日本史を勉強したけど、問題を読む訓練まで間に合わずに合格できなかった(共通テストで点数が取れなかった)浪人生を対象として予備校講師が言っていることが多く、これから勉強を始める方がうのみにすると日本史自体が嫌いになってしまいます。
そこで、今回は日本史をこれから勉強する方、学校の授業で先生が何を言っているかわからない方などを対象に私立大入試や共通テストで80点以上とるための日本史勉強法を紹介します。
日本史基礎固め問題集
まずは賛否両論ありますが、一問一答日本史です。結論としては私は肯定派ですが、問題を解くことはしなくてよいと考えています。
日本史一問一答問題集は、用語集の代わりに使うのがおすすめです。
個人的には、一問一答問題集としては、金谷の日本史B一問一答完全版がおすすめです。
こちらの日本史一問一答は、いわゆる〇×式というより、空欄補充型の一問一答問題集なので、空欄を意識しながら、問題文を読み込むことで、登場人物や事件など最低限必要な日本史の用語をマスターするのにうってつけです。
教科書や参考書を読む際に、ただ漫然と読むよりも、日本史一問一答を読んで、試験によく出る用語などを意識してから教科書等を読むほうが内容が頭に入りやすいです。
また、近年の共通テストなどは、全く見たことのない問題について現場で問題文のヒントをもとに考えさせる問題が多いですが、金谷の日本史B一問一答完全版を読んでおくことで、自分が見たことのない問題は現場で考えさせる問題であるという判断が瞬時にできるようになります。
共通テストでは、「知っている知識問題は短時間で」「知らない問題は多少時間をかけてでも現場で問題文のヒントを探す」ことで点数がある程度とれるように作られています。そのため、知らないと解けない問題なのかそうでないかの見極めがより重要になります。
日本史に苦手意識のある方は、レベル別問題集日本史1・2を並行して読むとよいでしょう。こちらも解説を教科書代わりに読むだけで解かなくてよいです。定期テストにも役立ちます。
日本史一問一答問題集だと、ちょっと挫折しそうというのであれば、レベル別問題集2の解説だけ何回もまず読み込むと基礎知識が頭に入り、日本史が好きになります。
ちなみに、史料一問一答問題集もありますが、史料については問題とセットであり、事前に読んでいても現場思考型の試験ではそれほど有利にならないので、無理にやる必要はありません。
・挫折しそうなら、レベル別問題集2の解説だけ何回も読む
日本史の参考書
日本史の参考書も色々ありますが、受験においては「金谷の決定版日本史」が最初から最後まで使えるのかなと思いますので、こちらをおすすめします。
これは、模試の復習やテスト勉強の際に該当箇所を読めばよいでしょう。範囲を決めて、一問一答問題集を読んでから決定版日本史を読むと理解が深まると思います。
それ以外にも評判の良い本はいろいろありますが、書いてある内容、ボリューム、お値段的に考えても「金谷の決定版日本史」が、一番良いかなと思います。
「金谷の決定版日本史」よりももう少し詳しく流れを知りたい方は、夏休みなどを使って「なぜと流れがわかる本」を読むとより具体的にイメージがつかめます。
ただ、少しボリュームが多くなるので、受験の際に読む本は「金谷の決定版日本史」にして、夏休みに理解を深めるために気軽に読む本として「なぜと流れがわかる本」というようにすみわけましょう。
ちなみになぜと流れがわかる本には文化史もありますが、文化史は読まなくてよいと思います。
文化史は私も読みましたが、正直あまり頭に入ってこなかったので、文化史は「金谷の決定版日本史」に書いてあることを何度も読むほうがよいです。
あとは、模試の復習の際に資料集などが手元にあると安心です。
私立大入試・共通テスト対策
私立大入試対策としては、レベル別日本史3・4をやるとよいでしょう。
こちらは解説を読むだけでなく、1回は問題を解くようにしてください。
いきなり問題を解くとハードルが高い方は、解説だけ2~3回読んでから問題を解くようにしましょう。
この問題集を使う際には、間違えたところをそのまま覚えるのではなく、細かい知識が問われている場合に、問題を解くのに必要な知識とそうでない知識の区別、問題の読み方や解き方なども解説に書いてあるのでぜひ参照してください。
共通テスト対策としては赤本で共通テストの過去問と新傾向対策として「日本史B 史料・図版の読解問題100」をやっておくとよいです。
センター試験の過去問については、知識確認のためにやるのはありかと思いますが、レベル別問題集などの問題演習をしっかりやっているのであれば、無理にやらなくてよいかと思います。
また、私立大が第1志望で共通テストを受けない&問題集を何冊もやるよりも1冊を徹底して何度も繰り返してやりたいという方は、Z会の「実力をつける日本史100」をやるとよいでしょう。
なお、共通テストや私立大入試対策については、無料で視聴できるただよびも参考にするとよいでしょう。いずれも1コマ10分程度で見ることができ、かなり勉強になります。
共通テスト対策、MARCH対策、早慶対策とありますので、毎日ただよび日本史だけは見ると決めておくと勉強習慣もつきます。うまく活用してください。
1回の時間は短いですが、いずれも回数が多いので、移動時間や休憩時間などを利用してみるとよいでしょう。
まとめ
日本史は最初はできるだけ同じ講師の教材・テキストを使う方が頭に入りやすいので、今回は大学受験で定評のある金谷講師のものを中心に紹介しました。
・決定版日本史で流れをつかむ。
・レベル別問題集や共通テスト過去問等で解き方をマスター。
・ただよび日本史もおすすめ
日本史は結構いろいろな本が出ているので、どれをやればよいか迷いますが、今回紹介したのは、日本史を生徒に教える際に私が日本史のテキストなどをいろいろ買って読んでみて最後に残ったものになります。
よかったら、参考にしてみてください。
最後に
受験ではアウトプットできないと点数にはつながりませんが、インプットが少ない状態でアウトプット(問題演習、模試受験)をしてもただつらい状態が続くだけです。
点数が伸び悩んでいる方は、まずは(問題集の解説を)読むだけ、(ただよびを)見るだけを毎日やることから始めるといつの間にか日本史が得意になっていることでしょう。
しめくくりとしては、受験まで残り期間がない人はやるしかありませんので、頑張ってくださいというよりはひたすらやってください。
問題を解いたら解きっぱなしにせず、その日のうちにもう一度同じ問題を解いてできた体験で1日を終えて下さい。
他方で、日本史に苦手意識がある方、受験までまだ期間がある方は、まずは読むだけ、見るだけ勉強を毎日続けるところからはじめましょう。むしろ頑張らないでください(笑)。