プログレス21 BOOK3のLesson15 Readの1つ目である「 I WISH I WERE DOWN THERE NOW!」の和訳です。
テスト対策などにご活用ください。
単語や本文については、以下を参照してください。
今、あそこにいられたらなあ。
時は1955年。アーサー・マーチは6歳でした。彼の兄のジミーと友人は湖に行く予定でした。
「お前はついてこれないよ、アーティー。」ジミーは言いました。
「ついてきてなんかいないよ。」アーティーは小声で言いましたが、(実際には)ついてきていました。
「もっと大きかったらついてきてもよかったのになあ。俺たちは大事なことをするんだ。ー大きい子がすることをな。」ジミーは言いました。「カエル取りさ。」
「いっしょにこさせたほうがいいぜ。」、ジミーの友達が言いました。「見ろよ、泣きかけているぞ。」
「泣いてなんかいるもんか」アーティーは言いましたが、実際には泣き始めていました。
「わかったよ、アーティー、いっしょにきていいぞ。」ジミーは言いました。友達の方を向くと、続けて言いました。「あんなふうに泣かなければいいのになあ。そして、どこへでもあいつを連れて行く必要がなければいいのになあ。」
少年たち3人はいっしょに湖の方へ向かって歩きました。アーティーは心の中で激怒していました。「お兄ちゃんは、僕が泣き始めたからこさせただけなんだ。」アーティーは独り言を言いました。「お兄ちゃんと同じくらい大きかったらなあ。もっと大きくてもっと強くて、もっとお金があったらなあ。自分で湖を買って、お兄ちゃんなんか近寄らせないのに。」
ちょうどそのとき、アーティーは空を見上げて、飛行機が上空を飛んでいくのを見ました。「あそこ(あの飛行機の中)にいたらなあ。たくさんお金があったら、世界中を飛び回れるのに。今、あの飛行機の中にいたらなあ!」
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年は2005年。少年は大人になり、今や彼を「アーティー」と呼ぶ者はだれもいませんでした。
みな彼を「マーチ氏」とか「だんな様」と呼びました。彼は裕福で成功した実業家になっていました。彼は、だれよりも一生懸命に働くことで、お金と高い地位を得ましたが、そのお金で買ったものを楽しむ時間がありませんでした。彼は、自分の時間のほとんどを会社の出張旅行に使っていました。
ある日彼はエディンバラからロンドンへ飛行機で戻るところでした。「エディンバラは美しい町です。見て回る時間があったらよかったですねえ。」と隣の席に座っていた部下が言いました。
「今年は6回もそこに行ったが、見たところと言えば会議室だけだったね。」マーチ氏は言いました。「観光の時間もなかったし、本当に何もする時間がなかったな。」
飛行機の窓から下の方にある小さな湖を彼は見ました。その岸沿いに小さな人々が歩いているのが見えたと彼は思いました。
「あそこを見てごらん。」彼は部下に言いました。「兄とカエルを取りにいった子供のころのことを思い出すなあ。兄は私に優しかった。彼は私をどこへでも一緒につれて行ってくれたものだ。兄にもう何年も会っていないなあ。こんなに忙しくなかったら、故郷に帰って、兄と一緒に時間を過ごせるのになあ。」彼はため息をついて言いました。「ああ、あのころが人生で一番幸せだった。今あそこにいられたらなあ!」
最後に
学校によってはReadについては、単語しか出ないところもあるかと思います。単語については、冒頭にも記載しましたが、以下を参照してください。今回のReadの単語も以下の記事に入れてあります。
プログレスの勉強方法などについては、以下も参考にしてください。